団地の住まい方
私は、大学の卒業論文で団地の住まい方の調査をしました。
一般的に団地は狭いと言われながら、長く住んでいる人も多く、まわりで同じ団地に住んでいた知り合いからも「団地は住みやすい」という話をよく耳にしていました。
私の母親も、窓が多く通気が良いところなど団地は住みやすいということをよく言っていました。
どういったところが住みやすいのか、詳しく知りたいと思い、約20件ほどヒアリングを行った結果、以下のような傾向が見られました。
1、窓が多く通気が良い、屋外空間にゆとりがあるなどの「環境」に関すること
2、スーパーなどが近くにある「利便性」に関すること
3、狭いがゆえの家族との「コミュニケーション」に関すること
1や2に関しては、親世代からの意見が多く3に関しては同年代(当時20代前半)からの意見が多い傾向が見られました。
狭くて自分の部屋も与えられないことに当時は不満だったものの、振り返ってみるとそれが逆に家族がよく顔を合わせることにつながり、よくコミュニケーションを取ることができた、というプラスの面ととらえていることがわかりました。
団地からマンションに移った友人は、個室が与えられたものの団地の方が良かった、とまで言っていました。
このようなことから、もしかしたら団地での住まい方は不自由な面があるものの、家族がコミュニケーションをとるには適した住宅なのでは、と思い至るようになりました。